イタリアのハートと言われるウンブリアの初夏の景色はため息が出るほど美しいらしい。スパーシオ山の中腹に東西に伸びた町並みは聖フランチェスコの聖地として風格を漂わせ絵画的な風景にまさにピッタリ来るアッシジの町である。
昔、教会の説教はラテン語で行われていました。ラテン語を理解できるのは、高い教育を受けた貴族や商人のごく少数の裕福な上流階級の人たちだけでありました。その結果、教会の聖職者は貧しい人たちを顧みず、贅と金にまみれ堕落の一途をたどっていました。
ある日突然フランチェスコは神の声を聞き、全生涯を神に捧げることを決心するのです。彼の説教はイタリア語で素朴で簡潔さと彼自身の清貧な姿が人々の心を捉えました。自分も裕福な家庭に生まれ、豪遊の限りを尽くした事もあるフランチェスコの波乱に満ちた生涯は、ひとびとにとっては身近で親しみやすかったのでしょう。聖フランチェスコが最も愛され、そして論じられている理由はここにあるのです。
聖フランチェスコの息吹が今でも感じられる町、それがここアッシジなのであります。