アメリカの歴史、文化、教育制度
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自然・歴史
アメリカの国土面積は日本の二十五倍あります。カリフォルニア州の中に日本がすっぽり収まりますし、アラスカ州やテキサス州はそれ以上の面積を有しています。またアメリカの中央部を流れるミシシッピ川は「大いなる川」の呼び名にふさわしく、主流四千キロ、ミズーリ一州の水源からすると六千キロを優に越え、川幅も数キロに及ぶ所があると言います。まずはこのような地形的スケールの大きさを知る必要があります。
アメリカは移民社会と言われるように、世界各地から人々が集まって一つの国家を形成しています。歴史の表舞台に登場するのは比較的最近のことですが、アメリカ先住民と呼ばれる人たちは今から約二万年前にすでにアメリカ大陸の各地に進出して、独自の文化的伝統を育んでいたことも忘れてはなりません。
やがて、16世紀初頭からヨーロッパ各地からの移民が流入し始め、東のニューイングランド地域から次第に西へと拡大し、太平洋まで到達したのが有名なゴールドラッシュの頃です。その間当初はヨーロッパ各国の植民地であったのが、1776年にイギリスから独立を宣言。その後次第に州が増えていきスペイン、フランス、メキシコ等から国土の割譲を受けて、現在のアメリカ合衆国になっていきます。
50州のうち一番最近加わったのはハワイで、1898年。つまりアメリカは今の形になって、まだ100年ほどしかたっていないのです。
文化・習慣
“人種のるつぼ”と称される移民の大国アメリカは、日本のようなほぼ単一民族・単一文化の国から見ると驚くほど世界各国からの移民が多いのも特徴の一つです。肌の色、髪の色、人柄も含めてとにかくカラフルです。いろんな人がいるからこそ、平等に対する意識も高く、特に1950年代から60年代にかけてのキング牧師で有名な公民権運動という歴史を経て、生活のあらゆる面で、人種、宗教、性別等による差別を排除しようとしています。
現地の人々と接する際には、そうした点も配慮する必要があるでしょう。また習慣の点で特に気をつけてほしいのは、喫煙です。アメリカはここ10数年ほどで、公共の場所での喫煙がどんどん制限されてきています。人によっては、喫煙することが罪悪のように考えている人もいるくらい徹底しています。人が集まる場所については、喫煙所となっていない限り禁煙と考えた方がいいでしょう。
多種多様の故郷の文化を背負った民族が、その持ち味を生かしながら興味深い外国籍社会を形成しています。移民はヨーロッパだけにとどまらず、中南米やアジアから今も続いており、街を歩けばいながらにして世界中の生活文化を学ぶことができます。様々な人種が肩を寄せ合って生活しているこの国では、外国人留学生もいわゆる「ガイジン」という色めがねで見られることはありません。
教育制度
日本の現在の教育制度は、ご承知のように第二次世界大戦後、アメリカの教育制度をモデルしてがらりと変更しましたので、アメリカの教育制度は大枠では日本とよく似ていて、高校を卒業した後には、2年制・4年制大学、大学院、専門学校等の高等教育機関が設置されています。
細かい区分けなどは州によって異なり、日本のように、6・3・3制をとっているところはむしろ少数で多くの地域では、5・3・4制をとっています。
外見は似ていても実質的に異なるのが、短大と呼ばれる2年制大学です。日本の2年制大学が女性を対象とした一般教養を中心とした教育機関であるのに対し、アメリカの2年制大学は性別に関係なく、職業訓練を目的としたコースと4年制大学への編入を目的としたコースとなっているのが特徴です。学校数も多く、またどの教育機関も、一度社会人となった人が仕事を辞めて、あるいは仕事をしながら通っているケースが多く、同年代の同じような境遇の人が通っている日本の大学とはかなり雰囲気が違います。
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